前日の日南方面エギング修行で、精も根も尽き果てた体も、例外なく朝を迎える。
この日は日曜日。
ちょっと慌しい部屋の雰囲気に目を覚ます。
酷使した挙句に肉の塊と化してしまいそうな体はほぼ動かない。
「みぃ(息子)が今日は父ちゃんと釣りに行く約束したって言ってたけど?」
カミサンが出掛ける支度をしながら話しかけて来た。
「・・・・ん?・・・俺が?・・・約束したって?・・・・・・ん?・・・・アイタタタタ・・・」
ギシギシとあちこちが悲鳴をあげる。
ついぞさっきまで正体も無く眠りこけ、溶解しそうだった脳は、
その言葉を理解出来ずにいる。
「ソフトの試合の無い休みの日に、イカ釣りに行こうって言ってたんでしょ?」
(・・・え?・・・ん?・・・あぁ・・・そう言えばそんな話をしたっけかなぁ・・・・
それが今日なんだっけ・・・?・・・あぁ・・・そうなんだなぁ・・・・)
間も無くしてカミサンは娘を連れて、
鹿児島市内での用事を済ませに出掛けて行った。
玄関の鍵が掛かる音を聴いてすぐに、また意識を失った。
それから小一時間程寝たのかどうか。
テレビの音で再び目を覚ますと、
僕が横たわるベッドにもたれかかって
テレビを観ている息子の後姿が目前には、ある。
「おはよう。。。イカを釣りに行くのか?」 聞いてみる。
「うん! 父ちゃんと約束した(^o^)」
「あぁ、そうか。。。約束したんだったな。。。行きたいか?。。。」
「う~ん、釣れるか分かんないけどやってみたい(^-^)」
「そうか。 解った。 準備するから待ってろ。。。」
僕は昨日の釣行で、すっかりくたびれ果ててしまっている。
あの手この手を試し、ラン&ガンを敢行した。
疲れの抜け切らない心身では、次なる手段を模索する余力など無い。
やり尽くした感さえある。
それが逆に良かったのか?
自分の釣りはどうでもいいから、息子の釣りを出来る限りサポートしてあげよう。
釣れる確率の高い場所に先ず行こうかな・・・
この子がまた行きたい!って思える釣りにしてあげられれば。
すんなりとそう思えた。
久しぶりに息子と二人きりで過ごす休日。
まだ体験した事の無い、イカが釣れる様を想像しているのか。
屈託の無い笑顔でソワソワしている息子が助手席に居た。
そう言えばこの子の休日は、ソフトボールの試合尽くめ。
僕に土下座をしてでも入団したいという本人の意思を尊重した結果ではある。
父親は好き勝手に釣り釣り釣りとキリが無い。
少年団特有の親派閥なんてまっぴらごめんさという意思を貫いた結果だ(笑)
だいぶ疲れが抜けた頃、心も穏やかだった。
是が非でも釣りたい!
そんないつもの気持ちなんて感じられなかった。
この子が一日楽しく過ごせれば。
その事だけを考えていた。
海へ向かう途中、釣具店に立ち寄る。
そこでエギの6本セット(ケース・イカ〆ピック・糸錘・スナップ付き)を購入。
息子専用にと思って。
10本入っているモノよりも、エギのカラーバリエーションに違いがあって
彼も6本入りのが良いと言った。
僕のお気に入りのエギをロストされちゃかなわんし。。。
エギバッグに入っているのと同様のモノを買い与えるには財力が(苦笑)
「釣れるといいけどねぇ(^-^)」
「釣れなきゃ釣れないでいいよなぁ(^-^; 」
海までのしばらく。
穏やかな雰囲気で車は走る。
やがて辿り着いた場所で道具の用意を済ませ・・・
先ずはキャストの練習(笑)
数年前にバス釣りに連れて行って以来の実習である。
案の定リールのベールを起こすのを忘れている(^-^;
どうにかこうにか投げる感を取り戻した様なので、
我流ながらシャクリ方を教える事に。
短く硬いバスロッドなので、シャクった時に加減良くパワーを吸収してくれず
もろにエギに連動するのでエギが思う様に動かない(爆)
サスペンドシャッドなどには打ってつけのロッドである。
ステイさせたルアーをビシビシッと動かしステイ。
その繰り返しでそれなりの数のバスを獲ってきた名竿(笑)
ま、なんとかなるだろう。
さてさて、自分の準備もしなきゃ・・・と用意を急いでいると・・・
近くでシャクる練習をしていた彼。
早速エギを根掛かりさせてしまった様で、
僕が回収に挑戦してみたもののロストしてしまった(苦笑)
「ごめん、切れちゃった(・-・;」 謝ると。。。
「しょうがないよ、あそこにあった岩のせいなんだから」 と開き直っている(笑)
気を取り直して、目星を付けておいたポイントへ移動。
僕はお気に入りのカラーをチョイスしてキャスト。
程なくしてチェイスを確認!
「ほらほら! 追っかけて来たっ!」
僕の声に息子は興奮した様だ。
「えぇっ! ホントに!? どこどこ? どこどこっ!?」
「ほらそこそこっ! 見えるだろ!」
「見えないよぉ(。。; 」
・・・・いかん・・・・僕はサングラス越しに見ているんだった・・・
「居たんだよ今(^-^; 待ってろぉ! また追い駆けてくるからなぁ!」
そう言って再びキャスト!
またもや追い駆けて来る!
「ほらっ!来たっ!よしっ!」
「うわぁぁぁぁっ!!!(*^o^*)」
小さいけれど、二人で大騒ぎ(笑)
「すごいなぁ! いいなぁ! 父ちゃん追い駆けて来るの見える?
ねぇねぇ、どうやれば釣れるの?」
一夜干しの為にちゃっかりキープして、
すぐに釣りを再開していると、彼が聞いて来た。
いかんせん我流の強いシャクリ方なので、手取り足取りとまではいかないが
解り易いんじゃなかろうかという程度まで言葉を砕いて説明して
シャクらせてみる。
「そうそうそう♪ うまいうまい(^-^) うまいじゃん♪」
「へへへ(^-^)」
嬉しそうであり、楽しそうである。
「父ちゃん、イカが居たねぇ♪ 釣りたいなぁ・・・どうすればいいの?」
「いいかぁ、こうやってシャクってぇ・・・落としてぇ・・・
って繰り返せば・・・ほらほら、寄って来た寄って来た♪」
「え? ホントに? そこにイカが来てるの?」
「来てるよ♪ いいかぁ・・・こうやってぇ・・・・ほら!ヒット♪」
ほんの少しサイズアップ♪
我ながら巧くやれたもんだなぁ・・・( これでなんとか面目躍如か(^-^; )
目の前で2杯を釣り上げた父親に、彼はすごいすごい♪を連発している(^-^;
まぐれもここまで来りゃすごいわ(笑)
しかし・・・イカのジェット噴射を見せて喜ばせようとしたのがいけなかったのか・・・
それからしばらく釣れなくなってしまった。。。
しかも吹き上がった墨を背中に被ってしまったし( ̄~ ̄;;
息子はその間、キャストが上達し始めた。
結構飛ばせる様になって来ているし、ロッドの使い方もいい感じである。
でもラインのたるみを取る為のリールを巻くスピードがどうしても速い。
もっとゆっくりと何度言っても元に戻る(苦笑)
えぇぇい! 今日は君の好きにしたまへ!(笑)
とは言うものの・・・これじゃ釣れんかも知れんなぁ・・・
群れが見え隠れする場所を見つけては、こっちに投げてごらん。と。
それでもやっぱり難しいのか。 釣れる気配は無い・・・
そこで隣に着いて、あぁだこうだと優しく我流を教え込む初心者(爆)
彼は真剣に僕の言葉の一つ一つを理解しようとしてくれている。
「いいかぁ・・・糸を見ててごらん・・・はい。シャクってぇ・・・」
などとやっていたら・・・・
水面でふけて漂うラインが一瞬ピンッと張った!
「よっしゃっ! いったっ!」
「うをっ!引っ張ったっ!」
二人ほぼ同時に声が出る!
彼の手元には確かな躍動感が伝わっていたらしい!
息子の声はなんだか何かが引っ張った手応えにちょっと驚いた感じ(^-^;
「アワせろっ!」
慌てる息子(笑)
「重いぃぃ!」
「慎重に慎重に! 巻くのがあんまり速いよっ!」
「だって! ・・・ うわっ! ・・・ だって! ・・・ 」
「糸を緩ませたらダメやってば! ほらしっかり巻けっ! 竿を立てろっ!」
「だって! ・・・ ふぬっ! ・・・ だって! ・・・ 」
初めてのイカに慌てふためく息子!
このチャンスを釣らせたくてテンパる父親(爆)
彼には悪いけどかなり面白かった(笑)
ラインが張ったり、だるんだるんになるのを繰り返しながら
必死と恐怖の形相でファイトしてるんだもの(^-^;
バラシはしないかとヒヤヒヤもんだったんだけど。
そして一生懸命のファイトの末、姿を現したイカ!
取り込み完了まで気は抜けない!
「やった・・・! やったぁ!」
なんとか捕獲に成功♪
興奮し過ぎて竿先から60センチぐらいの所まで巻き上げてたし(笑)
お目当てのアオリーではないものの、440グラムというなかなかのコウイカ♪
興奮覚めやらぬ彼は嬉しくて嬉しくてたまらない様子(^-^)
このコウイカを釣ってから、二人で何箇所かドライブ&ガン(笑)
その後はイカに出会えなかったのだけれども。。。
すっかりエギングに魅せられた御様子の息子さん。
早くまたエギング行きたいってはしゃいでいる(^-^;
困ったもんだなぁ、しばらくソフトボール漬けじゃんかよ・・・とか苦笑いしつつ
僕は息子用のロッドを探していたりする(笑)
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