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2007年7月8日 - 2007年7月14日

2007年7月14日 (土)

少年期 第二話

久しぶりにヒロ(名義貸し)少年の話でもしよう(笑)

台風でやる事無いし(爆)

 

第二話 「アイディア」

 

ヒロ少年は父親の事が大好きだった。

夕方、狭い茶の間でゴロゴロしていたり、テレビを視ていたりする時、

父親が仕事を終えて帰って来ると・・・

「おかえりなさい♪」と出迎えるのが好きだった。

時にはコタツの中に身を隠し、びっくりさせるのも好きだったので良くやったと言う。

 

そんなヒロ少年。

ある日の事。 

ふと・・・父親におかえりなさいと言うのが面倒くさくなったらしい(笑)

今思い出しても何故そんな気持ちになったのか分からないらしいのだが・・・

 

(なんとか 「おかえりなさい」 と言わずに済む方法は無いものか・・・?)

 

出迎える事無く父親の帰りを迎える事が出来る方法・・・・

そんな矛盾を満たす方法を一生懸命考えた。

 

そして、遂に少年は一つの手段をチョイスし、行動に出る。

その為に学校から拝借して来た「ある物」をポケットに忍ばせて・・・

 

(これでワザワザ出て行かなくていいし、お父さんも喜んでくれるだろう♪)

 

順調に計画を遂行して帰宅。

茶の間でゴロンと横になり、アニメを見ていた彼。

しばらくすると車の音が聴こえてきた。

(お父さんが帰って来た♪ ふふ♪ 出て行かなくてもいいもんねー(^-^) )

  

父親が車から降りて玄関を上がって来る音がする。

直後、父親の怒号!!

 

「ヒロぉっっ!!!!! 

なぁぃしちょっとか うぇやぁぁぁっ!!! ばぁかたれがぁぁっ!!!」

  

鹿児島弁で怒鳴り散らかす父親( ̄□ ̄;;!

「何をしてるんだお前は! 馬鹿タレが!」 と訳すのだが(笑)

 

父親の笑顔を期待し、そして確信していたヒロ少年・・・

怒り狂う父親を前に、ただただ怯え立ちすくむ。

(彼の父親は滅多に怒らない人だったので、凄まじい恐怖を覚えたそうだ(苦笑) )

 

一体、少年は何をやらかしたのだろうか?(笑)

 

「おかえりなさい」と言う面倒くささを解消するにはどうすればいいのか?

前述の通り彼は考え抜いた。

(だいたいそんな事を考える苦労をするなら、素直に出迎えてりゃ良いのだが(笑))

 

僕はヒロ少年が取った行動を聞いてみた。

 

少年は父親が帰って来るルート上の御近所さん宅の・・・

ブロック塀というブロック塀全てに・・・

  

「おかえりなさい」 「お父さんおかえり」 「おかえりなさい」・・・・

  

学校から持ち帰って来た数本・数色のチョークで書きまくったのだと言う( ̄~ ̄;

 

だがこれを見ただけで、ヒロ少年の仕業とは分からないのでは無いのか?

という一つの疑問が浮かび上がる。

 

でもそこはさすがヒロ少年!

 

仕上げとして。。。。

 

玄関のコンクリート部分に 「おかえりなさい」 と書いたのだ(爆)

 

ブロック塀に網羅された思慮の足りなさ過ぎるその書き物?は嫌でも目に入る。

あらあら・・・まったく子供のやる事は・・・と溜息交じりに通り過ぎた事だろう。

しかし家に着くとその犯人が、自分のバカ息子だと気付くのだ(^-^;

 

「ヒロっ!! 

ないごてこげなこつしぃちょっとか!! ゆてんみよっ!!」

(訳) 何故こんな事やってるんだ!! 言ってみろ! 

 

「・・・おかえりなさいって言うのが面倒くさかった・・・・(。。; 」

 

「なんちよ うぇやぁぁっ!!!!」

(訳) なんだと お前ぇ!!!!

 

御近所迷惑を平然とやってのけ、

しかも父親が待ち望んでいたであろう「労いの言葉」

言うのが面倒だ という至極勝手な理由で省略したバカ息子。

誠実で勤勉、そして家族想いな父親にとって、

息子の愚行の動機は許すまじきものだったに違いない(苦笑)

 

「消せっけ! バケッとたわしゅもいたっせぇ 今消せっけ!

すっぱいキレイに消ゆっとっずい 戻っくんな うぇやぁっ!!」

(訳) 消して来い! バケツとたわしを持って行って 今消して来い!

    全部キレイに消えるまで 帰って来るな お前は!!

 

彼は泣きながら、たわしと水の入ったバケツを持ち、

近所の方々に謝りながら塀に書いた言葉をゴシゴシと消して歩いたそうな(^-^;

でもチョークで強く書いてるもんだから、なかなか消せなかったらしい(苦笑)

ヒロ少年は激しい後悔の念に駆られたんだとか(^-^;

 

 

少年と父親の苦い想い出が刻み込まれたブロック塀は、もうその通り沿いには無い。

弾むボールの音など聞こえて来るワケも無く・・・無論、落書きなんて・・・

 

がむしゃらに落書き(苦笑)を消して疲れ果てて帰ったヒロ少年。

辺りはもう真っ暗で・・・。

家に上げてもらったアト、父親と話を出来たかどうかまでは覚えていないらしい。

 

「ただね・・・ 

あの時、叩かれたっていう記憶が無いのよね。

すごく怒りながら、どこかなんだか淋しそうだった父親の顔は今でも覚えてるよ・・・」

 

過保護では無かったけれど、精一杯の愛情を注がれて育った少年は

今日もまた、苦笑いで話を締め括ってくれたのだった。

 

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